ジョーンズ版とルディア版の違い  〜サビアンシンボル解釈の進化について

以前、サビアンシンボルの成り立ちと、当占星術おける「再解釈」について、書きました。

関連記事
サビアンシンボルの再解釈について
サビアンシンボルの再解釈について

サビアンシンボルには、主にジョーンズ版(Marc Edmund Jones版)ルディア版(Dane Rudhyar版)がありますが、

2つの大きな違いは、「解釈」以前の問題として、シンボル自体の表現の違いにあります。

この記事では、2つのサビアンシンボルの違いと、そこから拡がる解釈、その変遷などをまとめてみたいと思います。

ジョーンズ版のシンボルと、それを採用している理由

サビアンシンボルの原点(起源)となるのが、ジョーンズ版であり、

1925年頃、マーク・エドモンド・ジョーンズ(占星術師・作家)と、エリス・フィラー(霊視家・詩人)との協業によって生み出されたシンボル詩文です。

ジョーンズ版のシンボルは、霊的な直感を使い、降ろされたもので、シンプルかつ本質的で、象徴(抽象)的に表現されています。

また、ジョーンズの解釈文の中には、永遠の魂(源・空)の概念や、人間としての課題の側面(陰の部分)、多次元・太陽意識(創造主)的な世界観が多く見られることからも、

(少なくとも)ジョーンズ自身はサビアンシンボルを「深い霊的・哲学的な要素を持つもの」「霊的な進化のサポートとなるもの」として扱おうとしていたことがわかります。

※ジョーンズの解釈文については、日本では書籍化されていないため、英語版の書籍を翻訳して読む必要があります

オリエント占星術では、ジョーンズ版のシンボルを採用していますが、そのシンプルかつ本質的なシンボルには、これ以上でも以下でもない、必要十分な情報(エッセンス)が込められていると感じています。

一方、ジョーンズ版のシンボルは、現実的な情景(シーン)がそのまま(脚色なく)描かれているため、シンボルによっては、解釈が難しいものもあり、

その抽象性や、シンボルのシンプルさが、体系化・具体性(のある世界観)という側面では、弱さを感じてしまったり、

当時、実用性という面において、いまいち普及しづらい点だったのかもしれません。

その辺りを補うような形で登場してきたのが、ルディア版だったのでした。

ルディア版のシンボルとその違いついて

次に登場してきたのが、ディーン・ルディアという、占星術とユング心理学の融合などで有名な占星術家です。

一般に、叙情的かつ心理的な意味を重視して表現を変えたのがルディア版といわれており、

サビアンシンボルの研究会に参加していたルディアが、ジョーンズの許可を得たうえで、シンボルの意味が伝わりづらいと判断した箇所に補足を加えたり、シンボルの改変を行い、体系化されたもの、といわれています。

ルディア版とは、シンボルの意味の再解釈ではなく、シンボル詩文そのものを改変しているため、そもそものシンボル(象徴)が、ジョーンズ版とルディア版で異なっていること、

また、そこから生まれる解釈(シンボルの意味・捉え方)についても、ジョーンズ版から派生したものとは大きく異なっていることが多くあります。

例えば、ルディア版とジョーンズ版の違いとして、牡羊座7度を例にあげてみると、

ジョーンズ版:
A man successfully expressing himself in two realms at once.

「2つの領域でうまく自己表現している男性」

ルディア版
A man succeeds in expressing himself simultaneously in two realms.

「2つの領域で自己表現に成功した男性」

※「2つの領域で」という表現に「同時に」の意味を含む

ジョーンズ版の「表現している(expressing)」のところに、ルディア版では「成功している(succeeds)」という動詞を持ってくることによって、

プロセスとしての象徴よりも、結果にフォーカスされたような象徴(印象)に変化しています。

上記のような感じで、ルディア版の方では、全体的に、社会的な「立場」や「成功(成果・能力)」に重きを置いているような傾向があり、それらに関連した「具体性」を加えて改変されたシンボルが多くあります。

また、ルディア版では、1度ごとの「成長プロセス」を重視した(物語のような)構成になっており、「個人や社会の成長と結びつけること」を重視していたようなのですが、どちらかというと、

「魂の進化・成長」というよりも、「(社会的な)能力や、心理的な意味合いにおける成長」が重視されているような傾向があり、ジョーンズ版とルディア版の間には、「世界観の違い」を見ることができます。

※実際、「進化・成長」というものも、その世界観によって、捉え方や方向性が大きく変わってきます

ルディア版とは、まさに、当時の西洋占星術や社会における価値観、天動説的(地球中心の)世界観の流れにおいて生み出された解釈なのかもしれません。

また、ジョーンズ版と比べて、より実践的なリーディングや心理的アプローチが特徴といわれていますが、西洋占星術(心理占星術)におけるサビアンシンボルの解釈は、その使いやすさから、ルディア版を基に解説(解釈)しているものも多く、日本における解釈や書籍においても、双方の影響が混在している状況といえます。

日本においては、主に松村潔先生の書籍などが有名ですが、ジョーンズの解釈(翻訳)に忠実な内容の書籍はなく、あくまで、ルディアまたはジョーンズ(寄り)の解釈を中心とした、それぞれの私的な解釈が主流となっています。

さらなる進化を目指して

上記の記事でもお伝えしている通り、オリエント占星術では、主な活動として「サビアンシンボルの再解釈(及び普及)」への取り組みがあるのですが、

それは、ジョーンズ版のシンボルである「エリス・フィラーが捉えた360の情景を表したシンボル詩文(原文)」を、過去に表現されてきた解釈等をベースに、インスピレーション(霊的な直感や気づき)を織り込むような形で表現(解釈)したことからスタートしています。

もちろん、再解釈といっても、以前の解釈や歴史を否定するものではなく、ジョーンズの解釈、あらゆる試行錯誤とその軌跡を、内包(包括)していくものであると考えています。

それは、ジョーンズが行なっていた、エリス・フィラーが降ろした情景(シーン)から、受け取るインスピレーション(霊的な直感や気づき)を言語化しようとする試みと同じであり、「ジョーンズが行なっていた活動の続きでもある」と感じています。

肉体が朽ちても、その大いなる意思や熱意はどこかに引き継がれ、誰かが、その続きをやっていくのです。

現代におけるサビアンシンボルの解釈においては、「學び(教訓)」や「課題」といった氣付きには、あまりフォーカスされていないことが一般的ですが、

オリエント占星術では、

魂の宿るひとりの「人間(“私”)」の意識が、あらゆる経験・氣付き・學びによって、「自己や世界の本質」を認識し、進化していく、多様なプロセスが表現されているものとして

自己や世界の本質(真理)を知ること
太陽意識(源・魂)に向かう気づき
といった、

世界観(意識次元)の進化

というところに焦点を当てて
再解釈を行なっています。

※これは、「西洋占星術」という世界観(枠組み)の中で解釈を行なっていくことの限界を感じたところです

サビアンシンボルには、そういった、それぞれが実際に経験する現実を通じた、進化のプロセス、太陽意識的な世界観へシフトしていくための、暗号のようなメッセージ・叡智が、無数に込められています。

そういった次元の情報を明らかにしていくことで、自身におけるテーマや課題が紐解けるのはもちろん、人生や魂の本質・進化のプロセスに関するたくさんのヒント(真理)を受け取ることができます。

それは、シンボル達が、私達人類が、何度も転生をする中で、時に時空を超えた存在や叡智からの気づきを受け取り、學んできた進化の軌跡(歴史)のデータそのものから降ろされ、表現されたものだからです。

※ジョーンズ版のシンボルが、抽象(象徴)的であり、純粋で的確なものであるからこそ、そういった再解釈が可能になっています

解釈とは、私たちの意識次元を表すものであり、世界観そのものです。

人類における、戦争に対する見方、人生に対する考え方、あらゆるものの見方が、変化していくように

また、仏陀の伝える教えが、
空海によって進化してきたように

サビアンシンボルの解釈もまた、
進化させていくべきものだと、
考えています。

それは、ジョーンズの意志でもあり、多くのサポートとの(集合意識的な)協業を感じるとともに、

その解釈(進化しつつあるテキスト)が、大いなる意思(意志)を持っていると、感じています。

また、その意思を、どう表現するのか、どのように繋いでいくのか、試行錯誤の途中でもあります。

今後、ジョーンズがシンボルを通じて表現していた世界観を明らかにし、さらなる融合とブラッシュアップを進めていくため、ジョーンズによる解釈文の検証なども、当サイトにて取り上げていく予定です。

必要な方に、このサビアンシンボルに秘められた叡智を伝えていくことが、私達(オリエント占星術)としての、役割のひとつであると感じています。

オリエントコラム

COLUMN

PAGE TOP