地動説(太陽中心)の世界観に基づく占星術

「占星術」では、主に、生まれた時の(太陽系)天体の配置図(=チャート)を用いて、リーディングを行なっていきますが、
天動説(ジオセントリック)に基づく、地球中心のチャート・世界観を中心に扱う「西洋占星術」に対して、「オリエント占星術」では、地動説(ヘリオセントリック)に基づく、チャートを中心に扱うとともに、太陽(宇宙と魂)中心の世界観による、新たな枠組みと解釈を提唱しております。
講座では、「月(月星座)」「逆行」「支配星」「エレメント(固定化された体質や性格という概念)」「星の影響(星読み)」「アスペクト」といった、
西洋の思想(哲学)・占星術から生まれた、あらゆる概念に関する理論を大幅にアップデートしてお伝えしているのですが、
この記事では、「地動説(太陽中心)」の世界観に関する、その内容の一部をご紹介したいと思います。
「天動説」と「地動説」の違い
ヘリオセントリックチャートとは、
「地動説※」に基づく
太陽からみた天体の配置図で、
ジオセントリックチャートとは、
「天動説」に基づく
地球からみた天体の配置図です。
「西洋占星術」は、「天動説」に基づいて発展してきた歴史があるため、「地動説」が普及した後も、ジオセントリックチャートを中心に、当時の理論体系の影響を大きく引き継いできています。
※「地動説」とは:
地球を含めた全ての惑星が太陽の周りを回っているという考え方。これは、「天動説(地球が宇宙の中心にあり、全ての天体が地球の周りを回るとする考え方)」とは対照的な宇宙観であり、地球が動くという考え方は「キリスト教の教義」に反するとされ、異端とされてきました。後に「地動説」は、コペルニクスによって唱えられ、科学革命の一つとして天文学に大きな影響を与えました。「地動説」の普及とともに、「占星術」は「天文学」から切り離され、科学的根拠がないものとして扱われてきました。
太陽を中心にチャートを扱う
本来の自分達は、地動説に基づく
「太陽」を中心とした
宇宙の循環・律動を生きている存在です。
肉体を持って地球に生まれている以上、
現在地としては「地球」にありますが
「地球(私)」を中心に
宇宙が存在しているわけではなく
地球中心のチャートは、
太陽を中心とする循環の中で、
より善い人生・循環を生きる、
サポートとして扱い
魂が決めた意図・流れに沿って進む
「プロセス(ツール・通過点)」として眺め、「この肉体・環境を、どう活かすか?」というヒントを見つけていきます。
オリエント占星術は、太陽を中心に全てのチャートを扱い、魂の羅針盤を紐解く占星術です。
「月」の扱い方が異なる
「西洋占星術」の特徴の一つに、「月」の存在感が大きい、ということがあります。
それは、「地球(肉体の視点)」を中心としたチャートを取り扱っている、という点にも関連していますが
実際、「月」というのは、地球に紐づいた「衛星」であって、他の「惑星(=要素)」と、同列に並ぶものではありません。
太陽中心の世界観においては、ヘリオセントリックチャート上に「月」が表示されない(地球と一体化する)のもあり、「月(の意識)を満たすのが重要」といったフォーカスがされることはないのですが、
「西洋占星術」は、その地球(肉体)中心の世界観から、「月」に重きが置かれており、それによって、「過去の思考(地球のデータ)を引き継ぎ、繰り返し再生する生き方」が、助長される(月に囚われる)傾向にあります。
西洋(哲学・思想)を中心とした世界観のベースにある、天と地、ひいては、神と人間を切り離す(二元・分離的な)世界観は、この「月」の存在との関連性も大きいと考えています。

※この項目については、また別途記事にしていきたいと思います
「逆行」の概念がない
一般に、「西洋占星術」において、「逆行」の影響を受けていると考える「星読み」も、天動説(ジオセントリック・地球中心視点)から生まれた概念です。
本来、太陽系という、
大いなる循環の中にある「地球」ですが、
太陽を中心に周る全ての惑星達は
すべて「順行」で動いており、
その大いなる規律、秩序、循環の中に、「地球(自分)」は存在しています。
私達は、宇宙の一分であり、肉体を持って分離し、地球に存在している以上、「星からの影響」を全く受けていないということではありませんが、
実際の惑星・宇宙の流れにおいて「逆行」はなく、それらは、見かけ状の幻(=地球の意識場においてのみ)の影響なのです。
重要なのは「チャート」ではなく、「世界観」
「西洋占星術」の中にも、「ヘリオセントリックチャート」を取り扱っている「流派」というものは、以前から存在しているのですが、重要なのは「チャート」のみではなく、それを眺める「世界観」の方にあります。
私自身、「西洋占星術」を學ぶ中で感じた、地球中心のチャートや世界観への違和感から、「ヘリオセントリックチャート」に出会い、それらを探求する中で、今に至った経緯がありますが、
※リンク先の記事は、2018年に書いたブログ記事です
例えば、「西洋占星術」の中の「ヘリオセントリック占星術」においては、「月を使いこなす」といった表現をされていても、「自分の“変えられない” 無意識の部分を理解し、その“変えられない部分”をこの世界でどう活かしていくか?、と意識する※」といった解釈をされていることが多く、「西洋占星術」の考え方(地球・肉体中心の世界観)を引き継いでいるパターンがほとんどなのです。
※「月の性質」が、変化することのないベース・基盤の部分として扱われている
宇宙の真理(事実)に基づく「ヘリオセントリック(太陽中心)」のチャートを扱っていくことも重要ですが、
それ以上に、占星術を扱う「我々の世界観」こそ、太陽(宇宙・魂)中心へと進化させていく必要があり、世界観そのものを根本的に変えていくこと、まさに「コペルニクス的転回」が重要だと考えています。