太陽中心の世界観とは 〜 古代エジプトの宇宙観・東洋思想の繋がりと共通点


この記事では、オリエント占星術のベースとなる「太陽(魂)中心の世界観」について、まとめています☆

古代エジプト(古代オリエント)の宇宙観

「太陽中心の世界観」とは、古代エジプトや南インド、縄文、といった、主に東洋を中心に引き継がれた叡智、精神文明に共通している世界観です。

精神文明とは:精神性(霊性・魂の進化、心の豊かさ)に重きを置いた文明。
(↔︎物質文明:科学技術の発展や、物質的な豊かさの追求を基盤としていた文明)
最古の精神文明を象徴する古代エジプト(シュメール)文明は、レムリア・アトランティスの叡智を引き継いでいるとされており、アトランティス人トートが残したとされるエメラルドタブレットについても、太陽の子ら(古代エジプトの民)へ向けて残した「目覚めの叡智」とされています。

世界最古の文明であり、占星術の起源とされる古代オリエント(シュメール・古代エジプト)の宇宙観では、

太陽は、「生命の源(根源)」であり
太陽=「永遠の魂」の象徴

でした。

古代オリエントでは、地動説の象徴する真理「太陽を中心に、地球が廻って(循環して)いること」(=魂が人間の本質であること)を感覚的に知っており、宇宙の法則(真理)をベースに、世界や生命(人生)を捉えていた時代だったのです。

太陽の船(エジプト・アスワンのイシス神殿)
〜 物質界(昼夜・生死ある分離の世界)を「永遠の命(太陽神)」が旅する世界観(宇宙観)を描いた

精神文明に共通する世界観 〜人間は太陽の子(神の子)

後に、古代エジプトの宇宙観や占星術は、
南インドに引き継がれた
といわれていますが、

それらの精神文明に共通する世界観とは、

すべては源(大いなる太陽)から生まれ、
源に還っていく

魂こそが私達の本質であり、
人間とは「太陽の子(神の子)である」

という

人間の中に「内在する神・肉体と魂との繋がり」を見出す世界観です。

それは、天(目に見えない世界・魂)と地(目にみえる世界・肉体)を分離せず、一つの世界(宇宙)としてみなす、
「一元性の世界観」を持っています。

実際、古代エジプトの王・ファラオは、「太陽神ラーの化身」とされており、「太陽の子」と呼ばれていました。

また、そういった世界観をベースとした文明では、(自分の外に神を置く)一神教ではなく、日本の神道における「八百万の神(すべてに神が宿る)」といった思想や、

古代ケルトや縄文に象徴されるような、人間が自然を支配するのではなく、「自然と調和し、共存する」といった思想が共通して見られています。

東洋思想(哲学・叡智)へ繋がる世界観

上記の「太陽を中心とした世界観」は、
仏教(ブッダ)、イエス、空海(大乗仏教・密教)をはじめとする、東洋思想を中心とした「目覚めの叡智」に引き継がれ、(人間による理解が)進化し続けている世界観です。

仏陀は、自身のことを「太陽の末裔(太陽の子)」と語っていたことが、スッタニパータ(最古の仏典)にも記録されています。

密教や空海が本尊としていた
「大日如来(だいにちにょらい)」も、
「大いなる太陽」を意味しており、
あらゆる「生命の根源」、「宇宙の真理」そのものを象徴していました。

すべてに行き渡る光(仏性)、人間という存在も「大日如来の化身(現れ)であり、一体である」として捉えたことから、「即身成仏」(=肉体をもったまま仏になる)といった考えも生まれたのでした。

姿・形(役割)の異なる
人間(神・仏)として現れながら、

すべてと繋がっている
(本質的に、ひとつである)

という一元性の世界観は、

東洋思想・哲学を中心に、

魂、宇宙意識、源、愛、空といった、
さまざまな言葉によって
表現されてきていますが、

スピリチュアルや、
東洋思想において表現されている
「目覚め(悟り)」とは、

その一元性の意識
=宇宙(魂)意識

太陽中心の世界観への
“気づきのプロセス”です。

それは、東洋を中心に受け継がれる思想・叡智に共通する、普遍・根源的な世界観であり、今もなお、その理解(解釈)は、進化し続けているものなのです。

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イエス・キリストと東洋思想の共通点

一般に、キリスト教は、
一神教の象徴とされているため、
「イエスが東洋思想?」と、
疑問に思われるかもしれませんが

イエスが処刑された後に、政府によってつくられた宗教が「キリスト教」であり、もし双方の思想(教え)に違いがないのであれば、イエスが処刑される理由はありません。

聖書の中には、「まことに、神なる主は太陽です」とあるように、「(大いなる)太陽は光の源」であり、イエスを「太陽(神)の子」とする隠喩がたくさん登場しています。

実のところ、(処刑される以前の)イエスが真に伝えていた教えも、内在する神と出会う道(目覚めのプロセス)だったのです。

様々なイメージや情報が混在していますが、そういった見解は、主にキリスト教の神秘主義やグノーシスと呼ばれている流派において受け継がれています

聖書の一節(創世記1章28節)に、
「支配せよ」という言葉があります。

この「支配命令」(人間が自然に対して一方的な優位性を持ち、思いのままに利用・搾取する権利と捉える解釈)は、西洋思想、特にキリスト教的価値観を基盤とする文明に大きな影響を与えてきたとされています。

西洋思想(世界観)においては、
主に「管理(制御)する」
といった意味合いで解釈されていますが

本来の「支配」という言葉の意味は、
漢字の「支え」「配る」
という感覚の意味合いを持ちます。

これは、東洋思想と西洋思想による世界観(解釈)の違いが明確に表れている言葉の一つです。

チ。-地球の運動について(魚豊)の
「聖書は真理だ」「今の我々に正しい読み方ができているかは分からない」

地動説をテーマにした漫画『チ。-地球の運動について-』より〜「聖書は真理だ。だが、今の我々に正しい聖書の読み方ができているかは分からない」
(天動説の証明に命を賭けたピャスト伯の言葉)

宇宙の真理 〜古代エジプトの魂の記憶から生まれた地動説

教育学や神智学で有名なルドルフ・シュタイナーも、著書(講演)の中で、コペルニクスや、ヨハネス・ケプラーといった、古代エジプトの記憶のある魂が、「地動説」を唱えたのだと、語っています。

コペルニクスの地動説は、古代エジプトにおける霊的体験への思い出として生じたのです。ケプラーの宇宙観も同様です。これらの人はエジプト時代に体験したことから、当時の思い出から、偉大な宇宙法則を発見したのです。

〜「エジプトの神話と秘儀 (ルドルフ・シュタイナー)」より引用〜

宇宙の構造(太陽と地球・月の関係性)と、
魂(霊的な太陽)と人間(個体)の関係性は
フラクタルです。

私達は、事実(真理)として、

太陽を中心とした、
大きな流れ(=循環)の中を巡る、
ひとつの惑星「地球」に、

生きています。

その宇宙の法則(=真理)を基に、
人生を眺めていくこと

太陽の分光が輝く(行き届く)地として、地球(惑星)を位置付けること(=正しく認識すること)によって、私達(=自分)本来の立ち位置が見えてきます。

これが、オリエント占星術が「ヘリオセントリックチャート」を中心に置く理由です

「エジプトの神話と秘儀 (ルドルフ・シュタイナー)」
「西洋の光のなかの東洋」

地動説に基づく
ヘリオセントリックチャートは

※出生時の太陽を中心とした天体配置図

すべての惑星の要素を内包した
ひとつの魂(=自分)
を表しており、

それ自体が、
「宇宙の真理(=魂の記憶・可能性)」
そのものを表しているチャートです。

それは、太陽(魂)を中心に
自分(=地球)という存在を
捉えることによって

太陽の光が降り注ぐ
地球という地を

魂の光が宿る人間として、
この肉体(器)を生きること

また、大いなる太陽(源)の
一片(=自分)として生きること

宇宙の構造(真理)に基づき
人生を捉えていく、ということなのです。

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