アーティスト・表現者がスランプに陥ってしまう理由 〜 創造性を解放する

アーティストや表現者と呼ばれる方々には、時に「スランプ」と呼ばれるような、描くことができなくなった・文章を書けなくなった、といったタイミングが訪れることがあります。

それは、魂の流れ・プロセスとして見ると、「創造性を発揮する」というテーマにおいて、これまでの方法(認識)が通用しなくなった(=進化のタイミングを迎えている)ということを意味しています。

※「スランプ」とは、「(創造における)不調・停滞」といったイメージで、広義の意味においては、すべての人が表現者(創造者)として存在しています

この記事では、「創造性の発揮」について関連するシンボルを取り上げ、解説をしていきます。

サビアンシンボルとは、魂の宿るひとりの「人間(“私”)」の意識が、あらゆる経験・気づき・學びによって、「自己や世界の本質」を認識し、進化していく、多様なプロセスが表現されたものです。
出生図のシンボルには、自己に関する具体的で詳細な、メッセージ、経験のプロセス、資質(素材)、課題へのヒント、などが記されています。

水瓶座11度「自分のひらめきと向き合う男」

原文:Man tête-à-tête with his inspiration

ひらめき(沈黙の中で自己の内面から湧き上がるもの)について、客観的(俯瞰的)に眺めている様子を表すシンボル。創造性を発揮するものは、神のインスピレーション(源)と繋がることを意味しており、内なる導きとインスピレーションに従うことで、自由と創造性を体現していくプロセスを象徴。また、そういった現象(体験)について、構造的に理解しようとする度数。

– オリエント占星術 –

このシンボルが示唆しているように、いわゆる「作品」を生み出すような、作家・芸術家(アーティスト)といった、表現者としての役割を持った人(表現者タイプの魂)には、源(魂)やアカシック(未来を含む、高次の集合意識)の領域にアクセスし、その振動を微細(繊細)に感じ取り、表現している人が、圧倒的に多く存在しています。

それゆえ、環境(脳や精神の状態を含め)の影響を受けやすかったり、地球上における様々な集合意識の影響を受けやすい、といった特性も併せて持ちやすいのですが、

その微細な振動の差を感じやすいからこそ、自身の不調(変化・影響)そのものも感じやすく、

さらにフォーカス(体感・悩み)を強めていく、気が病む(落ち込む)、といったループにハマりやすい傾向もあります。

そういった構造や自己の特性への気づきも含め、個人における現実での不具合(不調)は、総じて「進化のためのプロセス」として起こっています。

そのため、分岐点ともいえるような事象との出逢いを、どう捉える(認識する)か、どこに課題(魂の真意)を見出すのかによって、その後の流れが大きく変わっていくことになるのです。

インスピレーションや、創造性といったテーマに関するシンボルはたくさんありますが、それぞれに示唆されている課題も様々あり、自身の持つテーマや課題を知っておくと、それらに気づき、超えていくことに役立ちます。

ここでは、ひとつの「課題」の例として、乙女座9度のシンボルをご紹介していきます。

乙女座9度「未来派の絵を描く男」

原文:A man making a futurist drawing

特定のテーマへの取り組みによって、自身の個性・ユニークさ(独創性・ビジョン)を受け入れるプロセスを象徴するシンボル。大衆からかけ離れてしまうことによるリスクや恐れを超え、自身の個性や創造性の発揮に向けて、自らの感覚・感性・ビジョンを受け入れ、進んでいく度数。※乙女座に加えて、魚座・獅子座・水瓶座のテーマが融合したような度数ですが、ここでは、乙女座のテーマである、「特定のテーマへのフォーカス」や「自我調整(恐れを超える・受容する)」にフォーカスがある

– オリエント占星術 –

この度数で強調されているテーマは、特に、創造性を発揮する上での「自我の調整(恐れを超える・受容する)」にあります。

際立った個性・表現というのは、時に、反感を買う可能性も孕んでおり、ある層からの共鳴・興味を強烈に惹きつける一方で、際立った個性や特定のテーマを強く打ち出すことによって、他者の固定概念を壊し、創造性を刺激する(解放していく)可能性が、常に含まれています。

特に、人々の感情は、「好き(共感)か嫌い(反感)か」の二元・二極の構造を持ちやすく、「これまでの枠を突き破る(月破る)表現」には、感情面において、憧れや賞賛(共感)を集める可能性を持ちつつ、逆に恐れや反感を引き出すことも多くあります。

ジョーンズ版のサビシンボル解釈にも、「この象徴的な表現には、自分だけでなく他者の創造的能力をも解放するような、際立った個性への挑戦が暗黙のうちに含まれている」との記載があります

このシンボルでは、「反感を買うこと=悪いこと(避けたいこと)」といった、「恐れ」や「抵抗感」があると、それがブレーキとなり、創造性を止めてしまう可能性が示唆されています。

その、「両面(両方の可能性・陰陽の要素)を引き受けて立つ」ということが、ここでの課題になります。

創造に伴う陰陽の認識(受容)、創造に対する「恐れ」を超えて、そういった「役割」に立つことを引き受けることで、創造性はさらなる次元に拡大していきます。

また、その「恐れ」を超えた表現が、人々の勇気や希望(インスピレーション)となり、さらなる次元で循環していくことになるのです。

そういった、それぞれが直面している課題を認識していくことで、人生(現実)に起こる不調・不具合を糧に、さらに進化した創造のステージへと進んでいくことができます。

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